友達にバカの壁を読んだ方がいいって言われたんですけど、どんな本なんですか?
なんだか難しそうで敬遠してたんですけど・・・
確かに簡単な内容ではないよね。
でもとっても面白いことが書かれている良書なんだ!
2003年に刊行されたけどいまだに読み継がれているんだ。
基本情報
2003年刊行
養老孟司(ようろう たけし)
1937(昭和12)年神奈川県鎌倉市生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。
95年東京大学医学部教授を退官し、現在東京大学名誉教授。著書に『唯脳論』『人間科学』など。
バカの壁は445万部売れて、平成で最も売れた新書となっています。
KK的超要約
一つの情報を仕入れてそれで知ったような気になる、知らないのに知ったような気になる状態をバカの壁と呼ぶ。
私たちはほとんどのことを知らない。故に常に新しい学びを得て、自分をアップデートしていく必要がある。
バカの壁とは
本のタイトルにもなっているバカの壁ですが、一体なんなのでしょうか。
バカが壁のように立ち塞がっているのでしょうか・・・
結論から言うと、バカの壁とは、知らないことを知った気になって周りを見なくなることです。
本当は何も知らないのに知った気になって外の世界に壁を作ってしまうのですね。
これこそがバカの壁なのです。
ですから単に知識がないとか計算が遅いとかそういうことを指すわけではないのですね。
自ら学ぶ意欲を失い、自分は賢いと勘違いしている人こそバカの壁に囚われているといえるのです。
かつてソクラテスは無知の知を説きました。
私は知らないということを知っているということです。
ざっくり言うと、私は知らないことがたくさんあるということを認める態度のことです。
人間は神ではありませんのでわかることには限界があります。
そうした自分は知らないことやわからないことを認めること、つまりすべての人にバカの壁は存在するのですね。
自分にバカの壁があると自覚して謙虚に生活する人と、自分は賢くて周りの人がバカの壁に囚われていると考える人ではどちらがより成長できるかはいうまでもありませんよね。
y=ax
バカの壁にはy=axという数式が出てきます。
これは一体どういう意味なのでしょうか。
これは人の行動の理由を簡単な方程式で表現したものです。
Yはその人の行動を示します。何かをするなどの動作やしゃべる、考える、書くなどが当てはまります。
Xはその人に対しての情報の入力を示します。何かを見た、聞いた、触った、考えたなどの五感が働きます。
そしてAはその人にとっての現実の重みを示します。つまりその人にとってどれくらい情報の価値があるかということです。
たとえば、道端にお金が落ちていたとします。
お金に困っている人がそれを発見したら、その人にとってのお金の価値つまりAが非常に大きいので、Yはお金を拾うという行動が起きますよね。
反対に大金持ちの人がそこを通ったとしたら、その人にとっての小銭の価値はゼロなのでAもゼロになり、素通りするなど何の行動も起こさないですよね。
このように同じ情報が入力されてもその人にとっての価値の重さによって行動が変わっていくんですね。
逆にその人にとって無限の価値がある場合もあります。それが宗教です。
宗教ではその教えが絶対なのでAは無限になります。
ですから自分の信じる教えは無限になりますが、他の宗教の教えはその人にとって現実ではないので全く聞く耳をもたないのです。
これらの行き着く先は戦争であったり、テロであったりするのです。
人間の起こすことがこんな簡単な数式で表現できてしまうってなんだか不思議な感じがしますね。
人間の共通認識か、個人の価値観か
みなさんは人生をどう送るべきだと思いますか?
君たちはどう生きるかという本がはやったりする背景には自分の人生をどう生きていくべきかみんな悩んでいるということがあると思います。
しかし、わたしたちが個人の価値観に沿って生きることができるようになったのはつい最近のことなんですね。
つまり、自己実現がかなう人生を送れた人は昔はほんの一握りだったんです。
大多数の人はその時の社会の流れに沿って生きていくしかなかったんです。
ですが、現代はそれぞれの目的や目標に向かって人生を生きることができる時代です。
国のため、村のため、社会のために生きる必要がないとても特殊な時代なのです。
それが良いか悪いかは置いておき、人類にとってそんな時代は今までなかったので、そこにチグハグさを感じでしまう人も多いのです。
自分の人生で何をしたらよいかわからない、したいことがないという人がいますが、そもそもやりたいことができない人ばかりの時代だったらそんなこと考える必要もなかったことなんです。
正解とは?
世の中のことに正解はあるのでしょうか。
正解はある、正解などないというさまざまな価値観があると思います。
少なくともそういうたくさんの価値観がある時点で、正解があるかという問いには人によるとしか答えようがないかもしれません。
他のどんなことでも同じです。
世の中には確実に確かなことなどそうそうありません。
ですが、じゃあ正解がないから適当でいいかというとそうでもありません。
大切なのは自分なりに思う正解をみつけだすことです。
自分の見つけた正解が他者にとって正解とは限りません。
しかし、自分で考えた正解に向かって行動を続ければよいのです。
そのときに自分の正解を他者に押し付けてはいけません。
自分にとっては正解でも他者にとっては正解とは限らないのです。
「バカの壁」も同じです。
これはあくまで筆者の考えであって絶対の真理ではないのです。
ですからこの本を読んでまるごと鵜呑みにしてしまうのはそれこそバカの壁に囚われているということになってしまいます。
色々と自分で考えて、行動してその先に自分の考えとなるようにすることがとても大切だということです。
まとめ
バカの壁について理解はできたでしょうか。
とても考えさせられる、ベストセラーなだけのことはある本なので是非一度読んでみてください。
では最後にポイントを確認しておきましょう。